新国立競技場の再スタートに期待していいのか

 ラグビーのワールドカップと東京オリンピックに使う予定の新国立競技場について、昨日唐突にそれまでの計画が白紙撤回されることになったというニュースが入ってきました。ちょっと前までは最初の計画など変える気が全くなかったように感じられた政府が何とあっさりと前言を翻したなと思うわけですが、これで全ての問題が解決したわけではないという事も確かです。

 というのも、これから全く0からのスタートということで、デザインコンペからやり直す勢いなので、次に決まったプランがどうなろうと、そこから変えることはまず不可能でしょう。きわめて悪意を持って考えれば、予定に反して建築費用が芋づる式に増えてしまったとしても、今度は撤回させることは不可能です。まさかこれだけ多くの人たちから非難の声が挙がったのに、同じ誤ちを犯すことはないだろうと思われる方がほとんどかも知れませんが、今のところ、以前の案を実現寸前まで引っぱった人たちの責任を追求せずにそのまま主要ポストに残すような感じになっています。早いうちに人事にもメスを入れてくれることを期待しますが、果たしてそこまでできるのかどうかがポイントのように私には思えます。これが政治の世界の話なのだと言われればそれまでですが、全く新しいコンセプトで以前批判された問題点を改善するような競技場を作るためには、少なくとも主要人事は刷新するのが筋だと思うのですが。

 というわけで、まだまだ新国立競技場建設についての状況を楽観視するには早すぎると私は思います。ただ、もし私が危惧しているような事が起こってしまったら、冗談ではなく東京オリンピックは開催する前からどんよりとした雰囲気で開かなければならなくなるでしょう。未来のことはわかりませんが、また同じ誤ちを繰り返す事のないように関係者の方には多くの人が納得できる競技場を作っていただきたいと切に願っています。


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