市町村が出す「プレミアム商品券」入手の前に

 全国の地方自治体で発行されるという「プレミアム商品券」が、一部の地域では入手のために大変なことになっているようです。私の住んでいる静岡市では完全に抽選なので、当たらなければ何も始まらないのですが、先着順に整理券を配ったりすることでは平日でも長蛇の列が出来たりして大いに盛り上がっているようです。

 この「プレミアム商品券」は現政権の目玉政策ということですが、この騒ぎ方からすると今後一定の景気動向には効果が出ると思われます。しかし、景気を良くしたいと画策する人たちの筋書きに乗って、結局はそれほど得でななかったなんてことになったら悲しすぎます(;_;)。すでにこの騒動に乗り遅れてがっかりしている方もおられるかも知れませんが、冷静に考えると逆に買わない方がいいような場合もあるように思いますので、まずは商品券の内容について見ていきましょう。

 今回の商品券のポイントとしては(主に地元自治体の商品券の詳細がベースになっていることをお断りします)、以下の点が挙げられます。

・1万円分の出費で1万2千円分の買い物ができる冊子が基本(プレミアム分は税金から)
・地元商店を優遇する目的のため、利用できる店舗が限られる
・利用についてお釣りは出ないので商品券の額面と同じかより高い買い物が必要
・利用期間が決められていて、3ヶ月とか4ヶ月などの期間限定
・一人で購入できる数が決められている(こちらの場合は一人3セットまで)
・発行数も限られていて、売り切れたら終了

 つまり、期間限定で使えるお釣りの出ない商品券ということになりますが、確かに1セットごとに20%のプレミアムが付くのはメリットがあります。多人数の世帯で家族の人数上限を買いまくるようなケースも報道によるとあったようですが、例えば5人家族で一人3セット買えれば購入金額の合計は15万円となり、一括で払うのは家庭によっては結構な金額です。まあプレミアム分がその場合3万円もあるのですから同じ買い物をする場合なら得になることは確かですが、プレミアム分を含めて一ヶ月6万円を買い物で確実に使うような生活をしていない限りは、利用期限ぎりぎりになってとにかく使おうとして、いわゆる無駄な出費に商品券を使うことになるかも知れません。家電などを買う場合、地元の商店とネット通販や商品券が使えない地域外にある大型店の価格と比べてみて、本当にお得になるのかということも考えた方がいいでしょう。

 私の個人的な考えとしては、過去一年間の支出を管理しているなら、地元のスーパーや商店で同じ時期にどれくらいの支出があったかを確認した上で、その金額の範囲内で商品券を買うのが普通に使っているだけで商品券を消費できるのでお得な使い方ではないかと思います。プレミアム分はちょっといい物を買い足してもいいでしょうし、買い物に余裕ができるのは精神上においてもいいものでしょう。ただそれだとプレミアム分の持ち出しになる地方自治体の出す予算に対する景気上昇のための効果が薄くなってしまうわけですが(^^;)。すでに多額の商品券を購入してしまった方で使い道に迷ってしまったら、家庭用品の中でも数ヶ月置いておけるものを中心にした商品購入にあてられれば、損になることもないでしょう。さらにこれは特殊なケースになるかも知れませんが、このプログで紹介している中で、特定のメーカーのキャンプ用品において価格が維持されているものがあります。ネットで安売りをしている店舗であってもなかなか安く販売されることはないので、一年中通して定価でしか買えないのが普通になっています。そうしたものを安く買う一つの方法として、この商品券が役に立つ場合もあるでしょう。商品券が使えるお店の一覧に、地元でその商品を取り扱っているお店があるか確認の上、目的の品物を購入できる分だけの商品券をゲットできれば、実質的に、本体を割引価格で購入できることになります。キャンプ用品以外にも定価販売のみというものはいろいろあると思いますので、そちらの品定めから商品券を購入する額を決めるのも一つの方法ではあります。

 景気がいい時なら商品券などなくても、収入の増加などで大盤振る舞いのようにお金を使う世帯が増えるのですが、今回のテコ入れ策がうまく機能しなかった場合は、かえって商品券を大量に買ったために、つい無駄遣いして出した出費が元で家計が疲弊し、生活が苦しくなってしまうような反動も考えておかなければいけないでしょう。皆が買うからうちもと考えても、目的も考えず買える上限ぎりぎりまで購入するのはどうかと私は思います。ただ、このプレミアム商品券の盛り上がり自体はこれから数ヶ月以上にわたって景気を押し上げていく原動力にはなっていくでしょう。これをきっかけにして、商品券を使わなくても沢山のものが売れ、景気が上向きになってくれれば、政策をやった意味は出てきます。果たして今回の商品券が日本の景気においてどんな影響を及ぼすのかというのはまだわかりませんが、商品券を買えた方も買えなかった方も、今後の日本経済の動向を見ながら締める所は締めて賢い消費行動を心掛けることがまずは大切だと思います。


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