安全感覚が麻痺するかも知れないネット上の評価

 神奈川県のオートキャンプ場で起きた死亡事故は、そのニュースを断片的に聞いただけだと何と浅はかな行動を取った利用者だろうと思う方もいるかも知れません。キャンプ場の中には4WDの車以外には入れないサイトがあり、そこへ行くには川の浅瀬を渡る必要があります。事故が起きた当初は大雨で川が増水しており、いったんサイトから外へ出て売店で買い物をしていた利用者が避難した方がいいと管理者のアドバイスを受け、いったんサイトへ戻り、テントをそのままにして車で脱出しようとしたところ川を渡りきれず流されて大きな事故になってしまったとのことですが、何故こんなことになってしまったのかを考える必要があると思います。

 同じ神奈川県の事故として思い出すのが、大勢のキャンプをしている家族連れがキャンプが推奨されない川の中洲に取り残され、流されてしまった大惨事がありました。この事故の教訓から、決して川の中州ではキャンプや車中泊をするべきではないと思われた方も多いと思いますが、個人の裁量で中州に渡るのではなく、利用に際して料金を支払っていて、利用者側から見れば何か有ったときには適切に管理されていると思われたオートキャンプ場で起こったことであるということで、全て利用者の責任とは言えないのではないかという意見も出てきているようです。

 ちなみに、問題のオートキャンプ場でインターネット検索すると、キャンプ場の評価サイトがいくつか引っかかり、その評価の平均は5点満点で3~4点とそれほど悪くありません。こうしたネットでの評判を見るだけだと、今回のような致命的な事故を引き起こすほどの悪質な業者であるかの判断は付きかねるところが多いでしょう。つまりは、一見しっかり管理されているような場所で、有料のところであっても、テント設営や車中泊場所の選定に関しては、あくまで自分の力で安全かどうかの判断をした上で利用することが大事になってくると思いますね。

 問題になっているオートキャンプ場はこの事故をきっかけに中州にキャンプサイトを設置していることを含め、様々な知られていなかった事実が明らかになっていますが、こうしたことがインターネットの口コミサイトで明らかになっていれば、今回の惨事はなかったかも知れません。ネットでの口コミというのは本来、営利を目的としたメディアでは紹介されないことを扱うところに意義があるようにも思えるのですが、恐らくこうした問題に警鐘を鳴らすようなサイトがあったとしても、各種検索サイトでは表示される順番が下位に沈んでしまっていては人の目にも触れにくくなります。例えば単に食事処に関する口コミサイトを見て出掛けたところ、出てきたご飯がまずいくらいならいいのですが、衛生管理がなってなくて体調を崩したようなお店がそれなりの評価が出ていてそのままになっているようなことがあったら問題でしょう。個人のブログでない口コミサイトでの評価については(もちろん個人のブログでも宣伝にしか見えないところもありますのでその点はご注意を)、鵜呑みにしないよう十分注意して、別の情報源からも情報を収集する心構えを持った方がいいかなと思いますね。


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