メールでFAXの意外な盲点

 ネットセキュリティ対策をする会社のトレンドマイクロが、新たなウィルスメールの手口を報告しています。添付ファイルの入った知らない所からのメールは開かないというのがセオリーですが、今回の手口はメールアドレスの最初の部分が「scanner@」となっており、巧妙にファクシミリ文書を騙ったものになっているそうです。

 送信元がサービスを展開している会社が発行した電話番号にファクシミリを送ると、それをファイル変換して添付ファイル付きのメールの形で送ってくれるメールでFAXの内容を送ってくれるサービスが普及していることが今回の手口の背景にあります。今、同様のサービスを利用している方をご注意をということですね。

 注意するのも個人なら自分の責任で何とかなるものの、もしこれがセキュリティ意識の低い会社や団体に送られたとしたら、年金情報が流出したケースのように、たった一人の軽率な行動により情報が流出する危険が出てきます。当然、悪意を持ってウィルス入りメールを送り付ける方が悪いのですが、このような事例が出てくると、もう少しパソコンに不慣れな人に優しい対策はできないものかと思います。

 個人や会社でしっかり管理できるのなら全てネットでやり取りするのもいいのですが、ウィルスの問題だけでなく、メタル回線と併用すればインターネット自体がダウンしている時に使える通信手段として生かすことも可能なのがひと昔前の通信手段であるファクシミリのいいところでもあります。ネットでファックスをする場合は全てペーパーレスになるので紙代やインク・フィルム代がかからないメリットもありますが、最近の家庭用ファクシミリ機の中には出力しないで内容を確認したり、受信した内容をPDFファイルの形でパソコンで管理できるものもありますので、そうしたものを購入することでペーパーレス化を実現するという方法もあります。どうしても紙で書類を出したい時は、普段使っているプリンタで出力すればいいので、ファクシミリ本体用の消耗品を購入する必要もありません。自宅に戻らず常に出先からファクシミリを受けるような場合はさすがにネットでファックスの方がいいかと思いますが、今後もこのようなサービスを狙った攻撃が増えてくるかも知れませんので、当該のサービスを利用されている方は十分送られてきた添付ファイル付きメールの内容に注意してから中味を確認するようにしましょう。


スポンサーリンク

コメントを残す