フィルムカメラを見直すきっかけになった映画

 本日から4月ですが、先月に地元の映画館でかかっていた映画「LIFE!」を見ました。アメリカの有名な雑誌LIFE!で銀塩写真の整理を行なっている主人公が、デジタル化の波が押し寄せ廃刊の運命になった雑誌の最終号の表紙に使うフィルムのネガを探しに、居所を転々と変えるカメラマンを探す旅に出るというのがおおまかなあらすじなのですが、ここでは批評もネタばれもさせません(^^;)。

 この映画の中で対比されていたのは、アナログとデジタル、リアリティとバーチャルリアリティという感じで、私にとっては懐かしいものが出てきたりしました。そのひとつが主人公がまだ若い頃、ヨーロッパに行くために用意していたバックパックの中に入れっ放しになっていたソニーの海外仕様のウォークマンであり、主人公がようやくめぐりあったカメラマンがヒマラヤに生息するユキヒョウを撮影するために構えていたデジタルでないフィルムを使うタイプの一眼レフカメラでした。

 ウォークマンの方はソニーのロゴがあったものの、なぜか物語に出てきたカメラの会社名の刻まれた部分が隠されていたのですが、製品名のところは隠していませんで「F3/T」とありました。ということで、恐らくこの映画のネタばれであるLIFE! 最終号を飾った写真もデジカメではなくチタン仕様のNikon F3であることが予想されます。

 なぜ映画ではNikonのロゴが隠されていたのかはわかりませんが、極限の状況でも動くという信頼性のあるカメラとしてF3はプロカメラマンに支持されていたことは事実であり、デジタルに対抗する究極のアナログとして、日本メーカーの製品がきちんと評価を受けていたことがうれしくもありました。

 フィルムを使っているカメラの場合、メンテナンスさえきちんとしていればフィルムおよび現像の提供さえされていれば使い続けることができるでしょう。現代ではデジタルカメラをも持たず、スマートフォンをカメラ代わりに使っている人も結構います。確かに一台でカメラとしても使えるスマートフォンは便利ではありますが、OSが新しくなるに従って古いハードは新しいOSを入れると動きが遅くなったり、使いものにならなくなるという点では残念なものです。もちろんデジタルデバイスとしての利便性は今の世の中において必要なものですが、物としての存在感はやはりNikon F3の方がありすぎるくらいあります。そして、今デジタル一眼レフカメラの世界シェアを日本メーカーがほぼ持っているというのは、フィルム時代からのメーカーの努力の賜物であるとも言えるでしょう。私もまだフィルムの入る一眼レフカメラを捨てられずにいるのですが、考えてみれば完全に電池がない状態が長期間続いてもフィルムがある限り撮影できるのはデジタルよりもアナログの技術であるフィルムカメラの方です。普段はデジカメしか使っていなくても、いざという時にはレンズ付きフィルムなら完全に電気や電池が調達できない場合でも撮影を継続できることは、頭の片隅にでも入れておいた方がいいかも知れませんね。


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