フィットで車中泊するためのセッティング その2 B24 cot(OEM:Voyager)を使うためのポイント

 フィットで車中泊をなさっている方のページを調べていると、フラットなスペースを作るためにコンパネを敷いたりして段差をなくし、その上に寝心地を追求するためのマットを使うというのがセオリーになっているような感じを受けました。一名でなく二名で車中泊をする場合、後部座席を倒した荷室をベッドのようにした方がいいので、身長がそれほど高くない方が二人で車中泊する場合はそうしたやりかたがベストではあるでしょう。私の場合はあくまで一名利用の中で快適性を追求し、特定の車種専用に何か工作をするのは窓の目隠しなどどうしてもやらなければならないもの以外は汎用のものでやりたいと思っているので、設置できれば快適な就寝を追及できるキャンプ用のコットを導入することにしました。以前「ボイジャーコット」という名で売られていたアメリカ製の低床で頑丈なコットは、OEMとしてB24 cotという名前で北海道・夕張の快速旅団で売られています。パイプを連結して組み上げると、186×60×18(cm) と身体がこのサイズに合う方なら、かなりゆったりとした空間を使うことができます。

 今回、このコットをフィットの中に設置するにあたり、数々の問題に突き当たりました。展開した長さが186センチということで、荷室に斜めに置くことは不可能です。そうなると、次に試してみたいのが助手席から荷室後ろにかけてのスペースです。助手席をできるだけフラットにするためには前倒しでは無理なので、反対に真後ろに倒すことになります。

6001

 およそこんな感じで長いスペースが取れ、長尺のものを運ぶには重宝するシートアレンジになるのですが、このままB24 cotを載せようとしてもとても快適に就寝することはできません。その原因となるのが、助手席シートの背もたれ部分の出っ張りです。無理にコットを押し込んでもかなり傾斜が付いてしまいます。無理にいろいろいじってもどうにもならないので、ここは頭を柔らかくして、邪魔なシートの出っ張りを利用してみようと思い付きました。

6002

 ボイジャーコットは4本の足をはめこむようになっていますが、シートの出っ張りの部分がコットの高さとほぼ同じことに着目し、前から2本目の足を取り外し、三本足にしてセッティングしてみることにしたのです。

6003

 このように、足を設置していない部分にはシートの上にコットがうまく収まっています。足が少なくなることで不安定になるかと思ったのですが、シートに密着していることにより他の足が浮いたりすることもなく、なかなかいい感じになっています。

6004

 これがセッティング完了した全景になりますが、185センチのコットを設置してもまだ先が余っています。この部分にクッションなどを置いて延長すれば、2メートル以上の就寝空間を作り出せます。まず日本人の体型で身長が高い方でも問題なく快適に就寝することができるでしょう。

 実際に寝てみた感じは、圧迫感が少ないせいか、荷室スペースに斜めにマットを敷いて寝るよりも格段にコットの方が楽で快適です。助手席のフロントに頭を向けて寝る場合、ちょうどいい具合に出っ張ったシートが体に密着するので、かえって快適さが増えたような感じもあります。夜に出発して眠くなったら仮眠を取るような日程の場合、出発時にセッティングをしていけばそのまま車を走らせることも十分できます。そうして眠たくなったらすぐにコットに横になることができます。

 ただ、一からセッティングする場合、どうしても車の外からコットを組む方が組みやすいので、大雨の中ドアを開けずに中から車中泊環境を作りたい場合はコットを使わずに荷室に斜めに寝るというパターンも残しておいて使い分けるのがいいかと思います。同じことは以前乗っていたワゴンRでもできましたが、やはりフィットの方が全体的にゆったりしていて、より快適な就寝環境を持ち運べる感じです。身長の関係でフィットでの車中泊を諦めていた方も、一名利用の車中泊でいいというなら、ぜひコットを使っての方法を試してみていただきたいと思います。


スポンサーリンク

フィットで車中泊するためのセッティング その2 B24 cot(OEM:Voyager)を使うためのポイント」への8件のフィードバック

  1. だから 投稿作成者

    コットを3本脚にすることで、フィットにマッチさせるなんて素晴らしい発想。
    私がフィットに買い替えることがあったら、これは真似したいアイデアですね。
    特にVoyagerは脚が低いので車中泊にはいいと思っていましたが、フィットにピッタリではないですか!?

  2. てら 投稿作成者

    コットでの就寝は設営に手間がかかるのが難ありですが、一人で出掛けることを前提とするなら、記事元にあるようにコットを設定した状態で出掛けてしまえばいいわけです。ゴールデンウィークに出掛ける際、夜出発して渋滞の名所を越えたところですぐ仮眠というパターンでは最大限の威力を発揮すると思いますが、寝心地が良すぎて寝すぎてしまう可能性もあるので、目覚まし時計の準備も怠らないようにした方がいいですね。
    今回紹介したB24 cotは、結果的に私が利用してみたどの車でも設置でき、それぞれ快適な就寝環境を提供してくれました。しかも車中泊のみでなく、キャンプや自宅での昼寝用にも使えるので、あっても無駄にならない車中泊のためのグッズの一つだと思います。

  3. うみぼうづ 投稿作成者

    私はまだ一人も見ていませんがフィットで車中泊する人結構多いみたいですね。
    ゴールデンウイーク 旧型フィットで3泊4日気ままな一人旅して来ました。
    初期型フィット用に工作した 敷き板を次期型でも利用し数年間  週末 長期休暇を利用し
    車中泊で富士山周りを中心に写真を撮りまくっています。
    快適かつ経済的で大満足です。
    こんな風に使用しています。
    http://youtu.be/C85bfPAKLo8

  4. てら 投稿作成者

    うみぼうづ さん コメントありがとうございました。
    私自身は軽自動車からの乗り換えなので、フィットの快適さには大満足です。
    動画の方法での寝床の確保は私の身長だと足を伸ばせないのである意味姑息な手を使って寝床の確保を実践してみましたが、コットを立てても天井高が結構あるので車内でも快適に過ごせます。これはフィットに乗っていないとわからないことかも知れません。
    自然を相手の写真撮影はすぐに動ける状態にしておかないとまずいので、車中泊とセットで出掛けるのはセオリーですが、経済性と走行性のバランスを考えると、フィットという選択は今のところ私のベストです。その形状からすると、車中泊には向かない車のように思う方が多いのかも知れませんが、初期型なら購入のハードルも低いですし、もっとこうしたことが広まってくれればいいですね。

  5. 佐藤久 投稿作成者

    こんにちは。
    ワゴンRで車中泊から、たどりつきました。
    落ち着いたご文章にも感心しています。
    さて、私も貴殿と同じアイデアを思いつき、数年来実行しています。
    後席フォールダウン + 助手席後ろ倒し + コットの3本足。
    ただし、車はタントの初期型で、コットは2000円程度の安物です。
    4本の足も、「太い針金」程度で、頼りない。
    でも、結構安定していますよ。
    3本にしてからは、窮屈だったコットの幅の収まりも改善されました。
    軽はどうしても、座席の幅が狭いですからね。
    いろんな場所と条件から、同じ結論に至る・・・
    とても面白く拝見しました。

  6. てら 投稿作成者

    佐藤さん コメントありがとうございました。
    車中泊を今ある車で快適にしたいと思う場合、もしフラットな面をシートアレンジで作ることができなかったら、諦めるか何か工夫するしかありません。私の場合は前に乗っていた車で使えていたコットを使わないでも何とか体を斜めにすればぎりぎり寝られるフィットで、さらなる快適さを追求しての結果でした。
    今回佐藤さんが下さったケースも合わせて考えると、3本足にしたコットを使えば、今まで無理だと諦めていたような車でもフラットな空間を強引に作って寝床をセッティングすることは可能であるということも言えそうです。もちろん、木材をDIYしてフラットな床を作るというパターンもありますが、それだと車を乗り換えるたびに作り直さなければいけません。
    今ある車で単にシートを倒した状態で車中泊をしている方はぜひコットを強引に入れる方法も試してもらいたいですね。

  7. にゃん 投稿作成者

    こちらのサイトを今年初めに拝見し、自分もフィット乗っているので
    これはやってみたい!と思い今月までズルズルひっぱってきました。
    が、今月遠出して車中泊予定していた為、このやり方を実践しました。
    ちなみにB24コットはちょと高いなぁと思っていたので、wild1の安いコット5000円を買い
    写真のように配置できたのでご報告がてらのコメントでした。
    春先や秋にまたこれをやっていきたいと思っています。
    ありがとうございました。

  8. てら 投稿作成者

    にゃん さん wild1のコットでの設置報告ありがとうございました。
    コットをフィットの車内で使えるのも、後ろが完全にフラットになってこそだと思うのですが、こうした利用方法が広まれば、もっとコットを持つ人が増えるかも知れませんね。
    車中泊はエコノミークラス症候群の温床になるというような事を言われることもありますが、このセッティングならある意味ビジネスクラス並の就寝環境を得ることができるのではないかと思っています。コットの上にさらにマットを敷くとさらに快適に寝られるようになりますので、春になりましたらぜひお試し下さい。

コメントを残す