パイオニア ベーシックテレホン TF-12-W

 もしご自宅の電話がひかり回線のIP電話に切り替えてしまっていたら意味がないかも知れませんが、停電になっても使えるメタル回線を持っていても、電源がないと使えない電話を使っている場合、電話機が対応していないため停電時に使えなくなるということが起こります。その場合、今ある電話機を買い替えるよりも、停電用に専用の電話機を用意しておいた方がいいように思います。停電時に使えるのは昔の黒電話だと思っている方もいるかも知れませんが、ACアダプターを繋げて使う電話機の中にも、ACによる給電がなくても使える電話機はあります。今回紹介するのは、見てくれは普通の電話でありながらACアダプターを最初から使わない、電源不要で使うことを前提に作られた数少ない電話機になります。

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 メタル回線の電話線に流れている電流を利用してこの電話機でできることは結構有り、停電時用に黒電話を使うことを考えればはるかにできることは多いです。よく使う電話番号を最大3つまでメモリーすることができ(電話線を抜いたら記憶は消去されますのでご注意を)、相手が電話に出たのを確認してから受話器を取って話せるオンフックダイヤルや保留メロディー、リダイヤルやキャッチ機能(キャッチホンの契約が必要)、パルス回線での契約でも*マークを押せばトーン信号を送出できる機能もあるので、災害時にも各種テレホンサービスが利用可能になります。停電時に災害用伝言ダイヤルを使う場合にもこの電話機なら大丈夫です。

 ベルの音量も2段階で調整でき、切ることもできます。かなりの幅でベル音量や受話音量を調整できる電話機を当り前に使っている方には電話線からの電気だけで動くこの電話のベル音と受話音量は心もとなく感じるかも知れませんが、電話線だけでここまでできるという事実があるのも確かです。大きさも小さすぎず本当によくある家の電話という感じなので、設置して使ってもそれほど違和感を感じることはないでしょう。

 ちなみに、IP電話を使っている場合でも、モジュラージャックにこの電話をつなげば使うことは可能です。普段の受け応えには携帯電話を使っているものの、部屋にいる時に固定電話を設置したいという場合、家のコンセントを必要としない電話機というのはメリットがあるように思います。同じIP電話のサービスを使っている先に電話する場合は、こちらの電話から掛けることで時間も料金も気にしないで通話を楽しめますし、不在時には携帯電話に掛けてもらえばいいと割り切るなら、価格的にも安いこの機種で十分ではないでしょうか。

 先日のエントリーで紹介したように、メタル回線自体のサービスはいつまで続くかわからないため、電源の必要ない電話機というのはいつまで売られるかというのもはっきりとはわかりません。電話機がそれ自体でネットにアクセスできるような機能を盛り込んで進化していくのもありとは思いますが、その正反対のようなローテクを満載した今回紹介した電話機もあれば持っておいた方が何かで使うことがあるかも知れません。災害までは行かなくても大雨や落雷、大雪などで長時間の停電の可能性というのはやはりありますので、まだご自宅がメタル回線の方は、これだけで色々できてしまう電話機の購入を考えて見るのもいいのではないでしょうか。


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