データ放送の存在意義とは

 昨日は私の住んでいる地方自治体で、市議会議員選挙が行なわれました。私自身はしっかり投票をしたのでその結果が気になっていたのですが、残念ながら全く開票に関する情報が入ってきませんでした。

 これが平日ならテレビでもラジオでも情報系の番組があり、ローカルニュースの枠を使って伝わるか、開票速報の時間を作ってくれるのかも知れませんが、日曜夜のテレビ番組表を見てもらえればおわかりかと思いますが、最近は日曜夜はバラエティ番組の放送も多く、開票が始まっても何の情報も得る事はできません。

 さすがにインターネットでは開票経過についての情報は出てきますが、これは市の選挙管理委員会のPDFファイルによる無味乾燥なもので、国政選挙によくある出口調査に基づく当落予想などは全くありません。まあこれは、選挙が大きなものではなく、県内全体のものでもなく、県内の一地域の人だけに関係するものであるので、他の地域の人にとってはあえて放送で伝えるものではないのかも知れません。そこで、ふと思い付いたのが地デジと同時に放送しているデータ放送の事でした。

 テレビやチューナーによってはデータ通信の機能が付いていないものもありますが、幸い私の家にあるテレビにはデータ放送を受信する事ができました。NHKを始め民放のデータ放送で市議会議員選挙の速報を探したのですが、データ放送の県内ニュースで選挙の事が出てきたのが一社だけで、そのニュースは投票率に関するものでした。データ放送画面の中には自治体からのお知らせを表示する所もあり、ここなら投票結果の速報があるのではと期待して見てみたところ、ここにも全く情報はありませんでした。

 結局、NHKの見たくもないドラマを見ながら日付が変わった定時の全国ニュースの後に流れたローカルニュースの枠で開票に関する速報を見る事ができたのですが、こうした素材があるのならそれをそのままデータ放送に流用する事がなぜできないのか、大変不思議に思います。

 実はこの文章は刻々と変わる状況をふまえつつ、ほぼリアルタイムに書いているのですが、地元新聞社系列の放送局の文字ニュースで時間の経過とともにようやく開票状況が入ってきました。その情報は先に出てきたNHKの情報と比べ、開票率が低い段階のデータを一部の選挙区のみ報じただけで、速報性を求めてデータ通信を覗く方がほとんどだと思うので、多くの人ががっかりしたと思います。こうなると、改めてデータ放送の存在意義というのは何なのか考えてしまいます。

 単純に考えて、放送局のスタッフがキーボードから入ってきた開票速報(今回の選挙では23時から30分ごとに0時30分まで選挙管理委員会から出されます)を入力して出せば済む話だと思います。しかも選挙速報ですから突発的に入るものでもないので、データ放送用に人員を確保すればいいだけだと思うのですが。今回のように通常放送に乗せる事が難しいニュースがある場合、もっとデータ放送を活用すればインターネットが使えない人にとってもいいと思うのですが、これでは地デジのデータ放送は(私の住んでいる地域だけなのかも知れませんが)速報性のないニュースとして認知されるだけだと思いますね。


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