テロ社会では車中泊も難しいので……

 アメリカ・ボストンで起こったボストンマラソンのゴール付近の2回の爆発は、私がこの文章を書いている時点ではまだテロ事件と決まったわけではないものの、世界中にテロの恐怖を改めて感じさせることになりました。私が身近に体験した爆発と言うと、かなり昔の話になりますが、静岡駅前のゴールデン地下街という商店街で起こった大規模なガス爆発事故でした。たまたま事故があったその日の午前中、用を足しに事故現場である場所の上を自転車で通っていたので、事故の惨事を見てその大きなエネルギーに大変な恐怖を覚えたものです。

 どちらにしてもボストンでの爆発は偶然による事故ということはほとんど考えられないので、今後はなお一層のテロ対策が世界中で講じられるようになるでしょう。日本においても今後のオリンピック招致の結果如何によっては首都圏を中心としたかなりの範囲において大規模な警備が行なわれることになると思います。

 過去の日本でも駅からごみ箱が撤去されたり、検問が強化されたりしましたが、さまざまな荷物を積んで車中泊をするなんてことは、取り締まる方からするときな臭さいっぱいの車と見られてしまうでしょう。以前ロケット砲が発射されたテロが起きた際には、天体観測用に望遠鏡を車で運んでいた人が、検問中に何度も望遠鏡の入った箱から望遠鏡を取り出し、それが決して武器ではないことを説明しなくてはならくなったというような都市伝説がありました。現在のテロの形態は今回のような爆発物を使った無差別型のものもありますが、目標物がはっきりしている場合は自動車に爆薬を積んで突っ込む自爆テロもけっこうあります。恐らくテロを取り締まる側としては普通でない怪しい車と見れば徹底的に調べられることが予想されます。かくいう私の車も普通の軽自動車ではあるものの、コンテナの中に必要なものを詰め込んでいますので、検問で止められてコンテナのものを全て出されて検査され、またしまって少し走ったらまた検問にあって同じようにコンテナの中味を出し入れされるような事になったら出掛けることですら自粛してしまいそうです。そのように調べられて、単に中を見られてお咎めなしならそれでもいいですが、もし包丁類が見付かれば軽犯罪法にひっかかりますし、ガス缶、液体燃料を積んでいる場合もかなりまずいように思います。車中泊の旅に出掛ける最中だとなおさら、説明のためにかなりの時間を要することが予想されますので、旅の行程自体が変更を余儀なくされてしまうかも知れません。というわけで、実際に検問が張られている所を通行する際には、凶器や爆弾を連想させるものは車らか降ろしておかないと思わぬトラブルに巻き込まれる可能性がなくはないので改めて注意しましょう。

 また、深夜に駐車場を使い、カーテンで中を覗き込まれないようにして何をやっているかわからない車が道の駅や高速道路のサービスエリアを占拠するような状態も当局には好ましくない状況だと言えます。仕事で首都圏を抜けるトラックもあるので深夜の休憩や仮眠を含んだ深夜の駐車車両を全て追い出すことは難しいとは思いますが、危険が予想されるエリア内においては今後、車の中で寝ることすらプレッシャーがかかるぐらいの巡回が繰り返され、普通の神経では仮眠すらできないような状況が起こるかも知れません。

 そう考えるとオリンピックの招致活動をもろ手を挙げて賛同できないと思うわけですが、サッカーのワールドカップの当時にはテロが起こるなんてことはあまり考えずに多くの人は世界的なスポーツイベントを楽しんでいたように思います。当時の事を思うと改めて時代は変わったなと思いますね。ちなみに、私はその時に24時間インターネット上のFIFAのサイト張り付いて静岡で行なわれた予選リーグドイツ対カメルーンの試合と、準決勝のトルコ対ブラジルの試合のチケットをゲットしました。準決勝の試合の場所は埼玉スタジアムだったので車で行ってきたのですが、行き帰りの東名高速道路はサービスエリアを含め目立った警戒もありませんでした。FIFAのサイトからは頑張れば日本国内で行なわれる試合のチケットを結構取ることができ、大分での試合のチケットが取れそうになった際には行こうかどうしようか迷った挙句放流したことがしみじみ思い出されます。当時でも何とか外からのインターネット接続環境は持っていたので、やろうと思えばワールドカップ開催期間中は仕事をせずに(^^;)、車中泊で移動しながら日本全国を飛び回りつつワールドカップを堪能することもできたと思うと、今になってそういう事をやっておけばよかったと後悔する部分もあります。

 今後の車中泊に関する世間の目ということを考えた時、小規模なものでも実際にテロ事件が起こってしまったというような状況になってしまうと、しっかりとマナーを守ってやっていても地域や場所によっては車中泊すること自体がNGになることも十分考えられるところです。そうなってくると、やはりいつか行こうと思って行けないままでいるというのは行けなくなってから後悔する可能性もあるので、行こうと思う気力があり、行ける環境があるうちに行っておこうと個人的には思っています。


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