テレビに映るペットボトルと携帯ボトル

 昨日からとうとう衆議院選挙が公示されましたが、衆議院選挙の公示前に行なわれた日本記者クラブ主催の党首討論会に11名もの人が一同に介したのをご覧になった方も多いのではないかと思います。当初は全ての演壇の上にガラスのコップとペットボトルに入った水が置かれていたのですが、11人のうち1人の演壇からいつの間にか(テレビのニュースでは全ての状況が把握できるわけではないので詳しい経緯はわかりません)ペットボトルが消えていて、グリーンのステンレス携帯ボトルが目立つように置かれているのが目に入りました。

 その方はご自身がテレビに映ることの選挙における効果を考えて、意図的に自分はペットボトルを使わないよとアピールする戦略を取っていたということは十分考えられますが、逆に考えると、よくあるニュース映像の中で、記者会見の席や、政府の審議会などが開催されている映像の中ではテーブルにペットボトルの水やお茶が置かれていることはあっても、あえてマイボトルを置いているような場面は私は見たことがなかったので、実に新鮮に私の目には映りました。

 私はこのブログの中でもさまざまなステンレスボトルを紹介してきましたが、世の中でマイボトルを持つ人が増えたとは言っても、多くの人は外で飲む飲み物を安易にペットボトルや缶飲料でという流れはそれほど変わらないように思います。日本茶とペットボトルという点で言うと、ペットボトル飲料の広がりがあるからこそ経営が成り立つお茶農家がいることも事実です。最近ではブランド茶の名を付けたペットボトル飲料もありますが、産地の名を付けてもなかなかブランド茶にかなわない地方では、飲料メーカーと契約を結んで契約農家という形で茶葉を提供することで安定した経営を行なっているところもあるわけですし。

 しかし、そのようにペットボトルのお茶が市場を席巻してしまうようだと、以前からの葉っぱを使ってお茶を飲む習慣自体がなくなってしまいかねず、中小の茶農家にとっては自らの存在意義を見出していくことすらできなくなる可能性もあります。お茶を使ったさまざまな加工品を出すことで新たな可能性を模索するところもありますが、葉で煎れるお茶の美味しさや経済性(ティースプーン一杯の茶葉で何回も煎れてその違いを楽しむことができる)を感じることができれば、マイボトルを持ち歩き自分で煎れたお茶を外でも楽しむライフスタイルも一定の評価を得ることができるはずです。

 そういう意味において、特にテレビで映る政治家や有識者、政府の役人が集う場で出てくる会議のテーブルで、それでもちらほらマイボトルを置いておく人が見受けられるような状況になってくれば、改めて茶葉から煎れるお茶について興味を持つ人が出てくるのではないかと思いますね。話はここでちょっと脱線しますが、先日北海道の登別周辺で起こった長期停電で避難所へ出向く人が多かったですが、そこではやはり、以前の避難生活のまま毛布だけが支給されフロアに直接寝転がるパターンが繰り返されていました。このブログで以前紹介したダンボールで作った快適なベッドがテレビに登場するのはいつになるだろうかと思いながらテレビのニュースを見ていたのですが、インターネットに押されたとは言ってもまだテレビには大いなる力があります。ダンボールベッドを普及させたいと思われている人たちにもがんばっていただきたいですし、茶葉からお茶をいただくライフスタイルを取り戻したいと思われている人たちには、やはりそうしたニュース映像にマイボトルが映りこむ様に努力をしていただきたいものです。

 ただ、もちろんペットボトルにはペットボトルの良さがあり、好んでペットボトルのお茶を飲む人の考えを否定する気は全くない上であえて主張したいのですが、せめて税金を使って開催している会議においては、会合の主催者が事前に出席者に飲み物についての意向を尋ねた上で、マイボトルを用意しているのでペットボトルは不要と回答した人については飲み物を用意しないという運営をしてみてもいいのではないでしょうか。


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