ソーラー発電・手回し発電ラジオやライトは本当にエコか?

 東日本大震災の後、本当にさまざまなところから震災対応のラジオやライトが出てきたのですが、冷静に製品を見ていくと、単にそれらしいものが売れるから作ったのではないかと思われるものが結構あって、本当に非常時に使えるエコなライトやラジオというのは数える程しかないというのが今までさまざまな製品を見てきての感想です。

 例えば、電池を使い捨てない発電能力を持ったライトやラジオが売られています。そのほとんどはダイナモをハンドルで回すか、小さな太陽電池により充電するかということになるかと思いますが、実はそうした製品も電池を使っています。発電した電気は溜める仕組みがないと発電している間しか使えないわけなので、蓄電のための電池が存在します。

 充電池の仕様は主にニッケル水素電池で、まれにリチウムイオン電池もありますが、当然ながら使っているうちに劣化してしまう時期は遅かれ早かれやってきてしまいます。こうした電池を使っているものにコードレス電話の子機がありますが、電話の子機には交換用の電池なるものが売っていてコードレス電話がすぐに使えなくなった場合に電池交換すれば元通りに使えるようになっています。しかし災害用ライトやラジオの多くは、そうして蓄電するための電池を電池をユーザーで交換できない仕様になっているところが問題です。充電してもほとんど電気を貯めることができなくなるまで電池の性能が落ち、中の電池を交換できないということになったら、それはもはや防災用品と呼べるのかどうか。

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 写真のライトは実は日本のそれほどメジャーではないメーカーが出していたLEDライトで、相当前の話になりますが、たまたまその時はアウトレット扱いということで千円以下で入手したものです。特徴の一つにライトだけでなく通常のUSB端子を装備していて、100円ショップにあるようなUSBタイプの充電ケーブルなら何でもこれを使って給電できるというものでした。しかし実際に届いてみてこのライトがハンドルで発電したものを貯める先は簡単に開く電池ボックス内にある3本の単四充電池で、搭載された充電池が駄目になったとしても簡単に交換可能な事に気が付いたからです。

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 さすがにこのライトに高性能なエネループなどの電池を入れようとは思いませんが、よく100円ショップに置いてある一本100円(税抜き)の電池でも普通に充電をしてあげると結構ライトとして使え、もちろんハンドルでの充電もできます。私はこういった品物こそエコな災害用品だと思うのですが、いわゆる日本の家電メーカーは長期にわたって使えるこうした製品を世に出すことに熱心ではないようなのが残念です。本当はこのような製品が常に購入できればいいのですが、単に停電対策ということならあえて充電機能がないシンプルなラジオやライトを、充電したニッケル水素電池で使っていった方が結局は長く使え、エコであると思えますね。


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ソーラー発電・手回し発電ラジオやライトは本当にエコか?」への7件のフィードバック

  1. とおりすがり 投稿作成者

    興味深い商品です。この商品名を教えて下さい。
    これはラジオ付きですか?

  2. てら 投稿作成者

    興味を持っていただきありがとうございます。こちらの品の製品名ですが、ヤザワコーポレーション製の、
    ダイナモチャージ メカニカルステーション LD03PW
    です。なお私が購入した際もアウトレット品という事で購入したため、現在新品で売っている所はないと思います。機能はLEDライトと充電のみでラジオは付いていません。
    今購入するとしたら私のブログで以前紹介させていただいた蓄電に充電池を使わずキャパシタ(コンデンサ)を使ったものの方が連続して使える時間こそ短いものの、劣化しにくい特質がありますのでそちらの方もごらん下さい。
    http://syachu.cocolog-nifty.com/blog/2011/04/post-b228.html

  3. 手回し発電ラジオ・マニア 投稿作成者

     「災害用ラジオやライトは、内蔵の蓄電池が消耗してもユーザーが交換出来ないのが
    多い」とのことですが、「非電化工房」というサイトへ行かれたら「キャパシタ式 手回しラジオ」というのがあります。 ここで言う「キャパシタ」とは「電気二重層コンデンサ」のことで、長寿命で交換がほとんど要らない大容量のコンデンサです。 今でもゴールドキャパシタとか、スーパーキャパシタとかの商標で売られています。 この電源ですと、普通の蓄電池のものよりも、手回し発電が軽いです。 つくりもしっかりしてます。 それにこのラジオには、高輝度LEDライトもついています。 もちろんAM,FMとも聞けます。 数量があまりないようですので、入手は早めが良いかと思います。  もしも既に、ご存知でしたら、ごめんなさい。

  4. てら 投稿作成者

    コメントありがとうございます。非電化工房のキャパシタ式の手回し発電ラジオについての紹介もありがとうございました。
    コメントいただいている通り、世の中に手回し充電ラジオは相当数あるものの、電池劣化のリスクの少ないキャパシタ式を採用するモデルはなぜか出てこないですね。単体の非常用ラジオとして持つなら、私もご紹介いただいたラジオをおすすめしたいところですが、買うなら在庫のある今のうちでしょう。
    日本のメーカーが開発に本腰を入れ、せめて単四2本分くらいの容量をためておけるようなキャパシタが入った手回しラジオができれば、日本国内だけでなく世界中に売れる戦略商品となるように思うのですが、本当に何とかならないのかと思いますね。

  5. よく分かりました。 投稿作成者

    そういう事だったんですね!
    買ってすぐ、たいしてハンドル回さないのにガンガン聴けてOH~~!と感動してたのに…
    短い夢でした…

  6. てら 投稿作成者

    コメントありがとうございました。
    手回し発電ラジオについて、今でも沢山のモデルが出ていますが、それでも長く使うためのコツというものは存在します。
    何でもそうですが長期間使わないと電池も劣化していくので、例えば枕元に置いて寝られない時にハンドルを回して発電させ、ラジオとして使うようにすると、全く使わない場合よりも製品としての寿命は伸びるようです。
    ここで紹介しているライトについては電池の劣化の影響をもろに受けますが、ラジオの場合はライトに比べると少ない電気でも聴けるので、こまめにラジオとして使うことである程度電池が劣化してもそれなりに使い続けることはできるので、たとえ内部充電池が劣化したとしても、しばらくは非常用ラジオとしての役には立ちますので、そこまで心配しなくてもいいでしょう。ただしこまめにハンドルを回して切れたら回すという作業は必要になりますが。
    ただ、今後に向けて考えておきたいことがありますので、今回の内容から外れますが、その事についてもお知らせします。ラジオについては、これから一部のAM局でFMワイドバンドを使っての同時放送が始まりますので、FMの周波数が108MHzまであるものをこれからは選ぶ方がいいでしょう。おすすめの製品については「ラジオ」の項目で紹介していますが、手回し発電ラジオの中で最強の品と私が考える製品はこのFMワイド対応ではないというのが現状ではおすすめできないというところです。今後そうした製品の動向についても紹介していきますので、思い出した時にでもご覧になっていただければ幸いです。

  7. よく分かりました。 投稿作成者

    詳しく有難うございます!
    無心にハンドル回すのは結構楽しいので、やります♪
    (^^)

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