サッカーワールドカップ予選敗退から考えたこと

 わずかながら予選突破の可能性を残していた日本のサッカー代表は、残念ながら予選敗退となりました。応援する身としては残念な部分もありますが、やはり世界との差というものを思い知らされた感がありました。というのも、日本の対戦国にいた世界のスーパースターたちは、交代で投入されるや否や得点にからむ決定的な働きをし、日本チームの希望をことごとく打ち砕きました。事前のマスコミのあおり文句では、そうした世界のスーパースターに遜色ない働きをするはずの選手もいたはずですが、さまざまな要因があるとは言え、期待されるような働きを見せることはできませんでした。

 私は選手や監督は与えられた環境の中で良くやったと思っていますが、それ以上に世界トップレベルとの差があることを知らされないまま多くの人たちが応援し、それゆえ期待が裏切られたのではないかと思っています。実はこういうことはサッカーに限った話ではありません。マスコミを通じて大きく報道され、賞賛されている人や物が本当に素晴らしいのかというのは、素直に信じられないことが私にはあります。

 イギリスのテレビ番組に「ブリテンズ・ゴット・タレント」という公開オーディション番組があります。この番組はアメリカの「アメリカズ・ゴット・タレント」を逆輸入した番組ですが、基本的にやらせはなく、厳正で厳しい審査員の元、多くの人たちが見て素晴らしいパフォーマンスをした人が賞賛されます。日本の紅白歌合戦にも出たスーザン・ボイルさんが出場し、すぐにスターとして世界中に紹介された番組と言えばおわかりの方も多いかと思います。

 もし日本でもこうした番組が企画されたとして、スーザン・ボイルさんのようなスターが誕生するかと考えてみてください。日本のシステムというのは決して芸や歌の実力だけでは売れないというところがあるように思います。その昔、日本でもやらせなしをうたい文句にして、素人でもプロでも出場することのできた歌の勝ち抜きオーディション番組「全日本歌謡選手権」が人気だったことがあります。五木ひろしさんや八代亜紀さんという人たちがこの番組を勝ち抜いてスターへの階段を上がりましたが、同じように勝ち抜いてチャンピオンになった天童よしみさんはしばらくは不遇の境遇を過ごしました。後援者やプロダクションの力が複雑にからみあって、単に歌がうまいだけでは売れないというのが今も日本の芸能界の傾向になっている中、天童よしみさんは相当努力されたのだと思います。結局、実力のみで勝ち抜ける画期的な番組は日本では根付かず、厳密な意味で、以降同じような番組は出てきていないように思います。

 ひるがえって、車中泊関連の話ですが(^^;)、先日本屋で車中泊関連の雑誌やムック本を見る機会がありました。そこには数々のいわゆる「車中泊グッズ」が紹介されていたのですが、これがもう商品の紹介というよりも車中泊グッズを売りたい企業の広告に近いのではないかと私には思われるものが結構ありました。この種の中で一番顕著だと思ったのは、車内でお湯を沸かすための車用電気ポットの類です。

 車のシガーソケットから取ることのできるワット数は150Wがせいぜいで、その電力を使って500cc程度の常温の水をお湯(80℃~90℃程度)にするには30分以上かかるそうです。しかもプラスチック製品がほとんどなので沸いたお湯に匂いが付いてしまうなどのディメリットがあるため、個人的にはおすすめできない品の一つです。しかし必ず車中泊関連の本にはこの類の品物が「おすすめグッズ」として載っているのですよね(^^;)。世の中には様々な意見があり、この種の製品を便利に使っている方も当然おられるとは思いますが、これを買うなら熱効率がよくすぐにお湯が沸く「ジェットボイル」を私は選ぶでしょう。同じ500ccの水が3分で沸騰するのですから(水温や外気温の状況によって異なる場合があります)、電気ポットの準備をしている間にお湯が沸いてしまいます(^^;)。

 消費が増えることによって経済もよくなるのですから広告も大切ではあると思いますが、同じお金を使うならより便利なものを購入したいと思うのは当然のことですし、そうした購入を助けるようなアシストを専門誌にはやって欲しいと切に願います。サッカー日本代表でも現状の戦力を冷静に把握し、身の丈に合った戦い方をするように仕向けるような論調がマスコミや関係者にあれば、今回の日本代表の結果も違うものになったかも知れません。少なくとも、これからも続くであろうマスコミを使った広告に乗せられて自分で確認することなく製品を購入し、後で考えると無駄にお金を使ってしまったと思わないように気を付けたいものです。


スポンサーリンク

コメントを残す