キングジム ポメラDM100

 先日、持ち運びできる入力環境としての携帯端末と小型キーボードを接続して使うやり方を紹介しましたが、今まで折りたたみ式のキーボードなので敬遠していたキングジムのポメラから新しい機種が11月25日より発売になるようです。今回の製品は折りたたみキーボードを搭載していないので本体サイズが大きくなってしまいますが、膝に乗せて入力も簡単ということでそれなりのメリットはあります。電源は単三電池2本とメモリ保持用のコイン電池でバックライトも点灯するという、かなり昔NECが出していたモバイルギアを髣髴とさせる内容になっています。

Dm100

 モバイルギアと比べて進化している点としては、Bluetoothも搭載していて、iPadやiPhoneの外付けキーボードとしても使える他、何と日本語の入力方法として現在ではまともな入力を覚えるための解説書もない親指シフト入力も標準でサポートしているという話を聞いてびっくりしてしまいました。ポメラが発売になってからメーカーへの要望として親指シフトがポメラで使えたらという声が一部からではありますが上がっていたのですが、まさか本当に最新機種で親指シフトが使えるようになるとは思いませんでした。

 スマートフォンやタブレット端末というのは、パソコンと比べてさまざまなネットサービスやメールなどを使う分には十分だと思われる部分は確かにあるものの、文章入力だけは両手を使うキーボード付きの端末にはかなわないと思います。お互いの欠点を埋め合わすようにし、旅行にはあえてパソコンを持って行かずにスマートフォンとポメラの組み合わせで使えば荷物を減らしながらネットで情報を入手しつつブログを更新なんてことも可能になりそうです。

 まだ実物を触っていないので詳しいことについてのコメントはできませんが、さすがに先日紹介させていただいたHappy Hacking Keyboardと比べれば質感と打ちやすさには違いがあるでしょう。そして、電源管理としては全て市販されている乾電池やエネループのような充電池で収束するということはメリットとしてあるのですが、メモリ保持用のコイン電池は100円ショップなどで常にストックを用意しておく方がいいでしょう。長い間使わない場合、主電池が消耗すると一気にコイン電池の容量もなくなってしまい、いざ使おうとしたときに起動しないというのはモバイルギアでもあった状況でしたので。

 そして、こうした端末には必ず起こり得る問題として、本体を開閉した際の耐久性の問題も出てくるでしょう。以前の乾電池を使った白黒画面のモバイルギアでは、この耐久性が極端になく、せっかく購入しても使っているうちにヒンジの部分が壊れてしまう故障が続発しました。販売価格は3万円強ということですが、現在のポメラの最高グレードの定価も3万円くらいしますし、これだけの値付けになるのはある程度仕方ないでしょうね。とにかく、本体の質感が気になるところです。

 個人的な要望としては、せっかくスマートフォンと使い分けられるなら、ポメラで書いた文章のファイルを簡単な操作ですぐに無線経由で送ることができるような機能をサポートして欲しいというのが本音ですね。一応、SDカード経由での読み込みはできますので、必要に応じてカードリーダーのような周辺機器を用意すれば何とかなるでしょうが。また、文書の長さに応じたQRコードをポメラ側で作り、それを携帯電話やスマートフォンのカメラで読み込むことでのデータ移動はできるようになっているようですが、携帯電話やスマートフォンの機種によってはできないかも知れないので事前に確認が必要です。このやり方というのは、パソコンで同じことをやればわかるのですが、ある程度長い文章を変換する際、QRコードが分割されるので元のテキストデータを移すまでには結構面倒です(^^;)。それでも、QRコードが読めない携帯電話はほとんどないことを考えるといざという時には心強くはありますが。

 その他の特徴として、日本語変換システムにジャストシステムのATOKが採用され、パソコンでATOKを使われている場合その辞書を読み込むことで変換効率を上げることができるようになったり、各種辞書も搭載されています。いろいろ書いてきましたが、こと入力に関しては今市販されているものの中でも、最強に近いハードと言えるでしょう。ただ、定価ベースでも今出ているノートパソコンにはこれより安く売られているものもありますので、改めて旅行の際にどこまでパソコンを使うのかというとを考えつつ導入を図るのが得策だと思います。パソコンの場合はスイッチを入れてから起動し、ブラウザなど各種機能が使えるようになるまでに多少時間がかかりますが、スマートフォンとポメラの組み合わせではすぐに作業に入ることができる分、旅行向きのような気がします。車の旅の場合はシガーソケットからノートパソコンを動かすくらいの電力供給は可能ですが、車の旅だけではなく、電車の中で使うなんてことを考えた場合は単三電池で動くというのはそれだけで魅力なのですね。まさかこんな端末が出てくるとは思いませんでしたが、今後出てくるであろう多くのユーザーレビューにも期待したいと思っています。


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