エコもどきの製品に注意

 昨日何気なくテレビのニュースを見ていたら、内蔵の充電池を太陽電池やAC電源で充電するタイプのモバイルバッテリーについて、実際には充電完了まで約37時間もかかるのに「最速10時間」と表示したなどということで(最も隔たりが多い製品の場合)、消費者庁は15日、景品表示法違反(優良誤認)に基づき5つの会社に措置命令を出したとのこと。
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 私もこのブログで小型の太陽電池モジュールを使って充電を行なう製品について紹介しているのですが、今までは今回ニュースになったリチウムイオン電池が内蔵され交換不可のものについては紹介してきませんでした。それはなぜかと言うと、たとえカタログ値と実測値に隔たりがあったとしても、元々搭載されている太陽電池の能力が低いものばかりで、そのうち内蔵の電池がいかれてしまったらその時点でゴミとなる運命になっているため、本格的なモバイル運用には役には立たないのではと思っていたからです。

 私が最初に購入し、今も使っているのはニッケル水素電池2本を充電する太陽工房の「バイオレッタソーラーギア」という製品でしたが、同社が販売する単三のニッケル水素電池(容量1600mAh)を空の状態から満充電するには日射約14時間となっています。この数値は良さそうに思う方もいるかも知れませんが、日照時間は天候によって左右されますし、雨が降ったら一日中充電できません。晴れた日でも真夏でパネルが熱くなりすぎると効率が落ちたりするので、通常の充電のようなわけにはいきません。私が使う場合でも、とりあえず電池をセットした状態で外に出しておき、常に充電をしながら気長に待ち、その分予備の電池を多く購入し、予備分を使い切るまでにある程度充電されていればいいというような感じで使うのが正しい使い方ではないかと思います。もう少し実用的に使いたい場合は、これはもう、太陽電池モジュールの大きい製品を使うしかないわけです。それでも、夜や雨の時には充電できないなどかなり効率の悪い充電方法には違いはありません。そう考えると手回しダイナモを搭載したラジオから直接携帯電話やスマートフォンを充電した方がまだましだと思われる方もいるでしょう。

 今回のニュースは単にメーカーがカタログスペックをごまかしていたのではという点について問題にされていますが、安易に「エコ」という文字に飛びついてしまう社会の風潮にも問題があるのではないかと思います。こうした風潮はモバイルバッテリーだけに限りません。問題になった製品はニュースソースの朝日新聞の記事によると家電量販店などで1780~3980円で販売されていたということでそこまで大きい被害はないかと思いますが、エコを売りものにする製品はまだまだ多くあります。高額の製品をエコを基準に購入されようとする場合には、果たして本当に製品購入がエコに繋がるのか冷静に判断することが必要になるのではないかと思います。


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