アルコールストーブの湯沸しセットとトランギアメスティンで炊飯レポート

 普段の生活の中で、なかなかごはんを鍋から炊くという事を実践されている方はいないと思います。そして、なべから炊飯している方でもガステーブルの中には簡単なセッティングで自動化されている場合がほとんどでしょう。今回紹介するような、火力が弱いアルコール燃料を燃やすストーブで、わざわざ弁当箱みたいなトランギアメスティンを使って炊くなんてことは、よほどこういうことが好きでないとやらないと思います。

 今回はバックパックに入っているものだけで何とか炊飯ができるかということでやってみましたが、例えば災害時においても、適当なフタ付きの鍋とカセットコンロがあればそちらの方が簡単にうまく炊けることはわかり切っているのですが、ある意味それだけの制約がある中できちんと炊けることがわかれば、他の場面でも応用が効いてきます。もし支援物資としてミネラルウォーターと米があれば、しばらくはこの組み合わせで温かいご飯をいただけるので、そんな場合に備えてとある日の夕食を作ってみました。

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 まずは、メスティンの中に1合の米を入れ、水をだいたい写真のところあたりまで入れます。今回は無洗米を使いましたのでそのまま水を30分くらい吸わせました。この工程が大変重要で、十分水を吸わせておけば、ある程度炊き方を失敗しても芯が残るようにはなりにくくなります。

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 今回はご飯のおかずとして、2種類の缶詰を用意しました。地元企業が出した製品としてなかなか食べる機会がなかったいなば食品のタイカレーと、ほてい食品のやきとり缶です。まさに外で食べるキャンプ食という感じですね(^^)。

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 メスティンはそれなりの重さがありますが、単に巻いて止めただけのT’s STOVEの風防、V-456の上に載せても何とか安定しているので、このまま火を付けて調理を開始することにしました。この日はかなり風が強かったので、チムニー効果でかなり火柱が上がるほどアルコール燃料は燃えましたが、そのまま待って鍋のフタがぐつぐつしてくるのを待ちます。

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 中が沸騰して鍋のフタが動いたら、一般的なご飯の炊き方とは違いますが、いったんメスティンを火から下ろし、フタを開けて焦げ付かないようにかき混ぜます。改めてフタをし、重しとしておかずの缶詰2つをフタの上に載せました。さらに火にかけていると勢いよく湯気が上がってきますがここは我慢して湯気が出なくなるまで待ちます。そのうち、ちょっと焦げくさい匂いがしたら火から下ろします。今回は風が強くあまりに勢いよく燃えすぎたためか、まだ湯気が出切っていない時点で燃料切れを起こしてしまいました(^^;)。しかたがないので取っ手を持ってガステーブルにかざすという自宅でしかできない技を使ってしまいましたが、アルコールの継ぎ足しをするともっと大変なことになってしまうので、仕方がないですね。次回行なう場合には風をまともに受けるようなセッティングをせず、燃料切れを起こさないように工夫できればと思います。

 火から下ろした後、10分ぐらい蒸らすのですが、その際に鍋の底に米がこびりつかないようにひっくり返します。さらに、中がアルミになっている弁当用の保温容器を使い、ご飯だけでなくせっかく温まった缶詰が冷えないようにしばらく放置しました。保温容器を守るため、タオルで巻くなどしてから入れた方がいいでしょう。

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 こうして炊けたごはんにカレーを流し込み、いただきましたが、思いの外うまく炊けていました(^^)。多少うまくいかなくても、十分に米を水に浸けてから炊き始め、蒸らしの時間をかけることでそこそこ食べられるようになるということですね(^^;)。さらに、スープ状のタイカレーと合わせれば何とかなります。とりあえずこれで、今の持ち物だけでも何とかなることがわかっただけでも収穫はありました。ちなみに車での旅行中、キャンプ場など炊事ができる場所に泊まった場合には車の中にこのセットより使いやすいキャンプ用のクッカーが常備してあるので、あえてこのセットを優先的には使わないと思います。それでも、このようにメスティンでの調理を経験しておけば、いざという時に役立つこともあるでしょう。単なる小物入れとしては大げさかも知れませんが、導入した甲斐はあったようです。それと同時に、もう少し一合くらいの炊飯のしやすい鍋を導入してみようかという気になってきました。カップラーメンは一人前の価格が安くても100円前後で持って行くのにかさばりますが、お米だったら安く用意できてしかもかさばらないということで、古来から携帯食としても使われていることはあるとしみじみ思います。というわけで、先日一通りまとめたはずのバックパックに収めた常時携行用のセットの中をもう少し考えて、どこでも米を炊いて食べられるようなセットを考えてみたいと思いました(^^)。


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