いよいよセブン・イレブンが四国へ その影響は?

 私が車中泊の旅をよくするようになったきっかけとなったのが実は四国の八十八ヶ所めぐりでした。長い休みが取れないということもありお遍路を一気に回ることは不可能なので、とぎれとぎれの休みを利用して今回はここまでといった感じで効率よく車で回っても思い立ってから数年かかってしまいました。それぞれのお寺で御朱印をいただける時間が午前7時から午後5時までということで、時間ぎりぎりまでお寺を回り、そして翌朝に早くからスタートをするためには車中泊をしながら回るというのが一番効率が良かったのです。

 その頃からうすうす気付いていたのですが、四国にはさまざまなコンビニエンスストアがあるものの、大手の中でセブン・イレブンがないのがなぜかというのは疑問に思っていました。現在でもよく利用する銀行のカードがセブン銀行のATMで利用できているので、四国に入ったとたん現金を引き出せなくて困ることもあったのですが、セブン・イレブンがない地域なら諦めざるを得ないと思っていました。なぜセブン・イレブンがないのかという事については、報道によると今までは会社の方針として都市部では売り上げが上がるものの地方(というか田舎(^^;))では都市部のような収益が見込めないので、最初から地方への出店をしないという事だったようです。

 それが、先日のニュースでいよいよセブン・イレブンが四国に物流センターを作り、店舗も今後増やしていくとのこと。これは、現在他のコンビニがシニア向けの店舗として展開しているような、野菜を充実させたり一人用のお惣菜を置くなどして地方の一人暮らしの人にも利用しやすくした店舗の成功をにらみ、地方でもそれなりに収益が上がるビジネスモデルができたからということらしいですね。

 私が四国へ行って感じたことに、例えばローソンは四国の店舗にはカウンターで讃岐うどんが食べられるようなスペースを置くなど、それほど地方で収益が見込めない時分から細々としてでも営業努力を続けてきて今があるということもあると思います。それをいきなり進出してくるということですから、地方での顧客をひきつけるきちんとした展望があるのだろうかという疑問はありますね。地方の人が困るのが、鳴り物入りで大々的に進出してきても、業績がちょっと落ち込んだだけですぐに撤退してしまうことだろうと思います。最近のニュースでイトーヨーカドーが正社員を減らすということがニュースになっていましたが、大企業が進出してくることによって地元の小規模な商店を駆逐するような側面もあるわけですから、責任を持って進出してほしいとまずは思います。これは、地方の人たちだけではなく、人里離れた所に行きがちな旅行者に関しても言えるわけで、カーナビにコンビニのマークがあるので勇んで向かったところ、あったのはそれらしい店舗跡のみだったということになるとどっと疲れますし、あてにしていた買い物ができなくなって途方にくれることも出てくるでしょう。新聞報道では現在四国でコンビニを経営しているところがセブン・イレブンに鞍替えするような動きもあるかも知れないという話も出ていますが、売上の状態が良い優良店を取り合うようなことが起こる反面、山間部などの不採算店が一気に整理されるようなことが今回のセブン・イレブンの地方参入によって加速されることはないのかという不安もぬぐえません。

 今後のコンビニのあり方を見ていく中で、ATMが設置されているということだけでなく、カウンターで公共料金の支払いができることもあり、コンビには銀行の機能もデフォルトで持っていますので、その土地のライフラインを担う部分も出てくるように思います。せっかく進出するのなら、すぐに撤退するような進出の仕方ではなく、細くであっても長く営業を続けられるような店舗の形で進出して欲しいものであります。


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