「mineoスイッチ」アプリで実現した低速通信の使い勝手をワイヤレスゲートと比較する

 最近はauだけでなくdocomoの通信カードも扱うようになる唯一のMVNOとして注目が集まるmineoですが、2015年6月1日からようやく高速と低速の通信速度を切り替えることができるアプリ「mineoスイッチ」の提供が始まりました。事前に契約プランを最安の月500MBのものに変えておいたので、一刻も早く高速で勝手に通信してしまうのを防ぐためにアプリを導入して高速通信を切りました。

 これで、普段メールやSNSくらいしかしない使い方なら、いざという時のために高速通信の容量(私の場合は月500MB)を取っておけます。この時に気にかかるのは、今回mineoが提供する低速通信でどれくらいの事ができるのかということです。低速SIMの運用というと、以前契約していたOCNモバイルONEでクーポンスイッチをOFFにしたまま使っていても、ストリーミングでインターネット経由のラジオが聞ける、Radikoの利用が割と安定して可能だったのを思い出します(ただし地域および時間帯によってはうまくいかない場合も有ります)。

 現在使っている別のSIMカードでは、ヨドバシカメラが売り出しているワイヤレスゲートの低価格SIMカードは高速クーポンを購入しないと最大250kbpsまでの低速ということでした。以前試した時にはradikoでもストリーミングが途中でストップして使い物にならない印象がありましたが、今回の検証の前にradikoを起動したところ普通に聞くことができましたし、別のストリーミングサービスの「リスラジ」でも結果は良好でした。以前はカーナビ以外には使えないかと思っていたワイヤレスゲートの低速SIMの新たな可能性を感じてしまったわけですが(^^;)、一応上下の速度を紹介しておきますと、午前11時頃の測定(移動中ではありません)で、PING 92ms 下り340kbps、上り600kbpsとかなりいい数字が出ています。ただここで紹介すべきなのはあくまでauのMVNOとしてのmineoの低速は使えるかということでしたので、改めてmineoの方を試してみることにしました。

 ます、スピードをアプリで計ります。ワイヤレスゲートと同じく午前11時頃の測定で、PING 61ms 下り210kbps、上り400kbpsとほぼスペックからすると最高ぐらいのクオリティーは確保されています(こちらも、測定する地域および時間帯によっては全くスピードが出なくなる可能性がありますのでご注意を)。またradikoは問題なく聞けました。「リスラジ」の方は試してみる前にアプリがインストールされていなかったので、まずは低速のままアプリのインストールから始めました。ファイルのサイズはおよそ3MBあまりのものですが、時間はかかったもののGoogle Playから問題なくダウンロードできたので特別急ぐのでなければ動画を見るのでなければあえて高速クーポンを使うこともないと思えます。準備を終えてアプリを起動し、適当なチャンネルの再生を開始したところ、こちらでも問題なくストリーミング放送を聞くことができました。

 ここで改めて両者の料金について比較してみましょう。まずmineoの高速クーポン500MBコースは最初からSMSが使えて(そもそもSMSオプションは存在しない)月額700円(税別)です。ワイヤレスゲートと比べるとメリットは、auの端末はテザリングが塞がれていないので普通にテザリング可能ということと、ちょっとだけ動画を見たい場合には、限度までなら追加料金なしで高速通信ができるということがあります。あと、auのLTEの通信状況がdocomoと比べてどうかということがポイントになるでしょう。MVNOに限ればauはdocomo
と比べると利用者は少ないですが、もし都市部でのお昼休みや夜間のゴールデンタイムにおける通信集中による速度低下が起きにくいなら、ワイヤレスゲートをはじめとするドコモ系のMVNOと比べてのメリットとなり得ます。ただ、auのLTEエリアでのみしか使えないとか、選べる端末がauのLTEが使えるスマートフォンに限られるというウィークポイントもあることをお忘れなく。

 ワイヤレスゲートのSIMは、低速では月額480円という価格が大きなボイントで、さらに専用アプリをインストールすれば、一部の公衆Wi-Fiスポットが使える(主にマクドナルド店舗では利用できるような感じです)というメリットがあります。ちなみに、mineoと同じ条件にするために月額150円するSMSオプションを付けての月額合計は630円(税抜)とほぼ横並びになりました。こちらの方は対応する端末を選べば山の中のFOMAプラスエリア内でも使えますが、都市部での時間帯における速度低下はどうしても避けられないでしょう。さらにiPhone以外のAndroidスマートフォンの多くはテザリング機能をつぶされているというのもこの2社を比較すると残念な点ですね。

 ただ、私のように両方のSIMを持っていると、状況によって使い分けながら月額1,500円程度で複数の端末を使えるということも言えます。まれにではありますが、ドコモのデータ通信に頼り切ってしまうのは、何かの拍子でドコモのネットワークにトラブルがあった時に大変困ることになるでしょう。今のところ、ワイヤレスゲートのSIMを入れているNexus5の電池の持ちが良くないので、日常的にはmineoの方を使うパターンが増えると思いますが、車の中で常に充電できる状況なら使用頻度は変わってくると思います。

 個人的には3大キャリアの中でauのMVNOを出している所はまだ少ないですし、SOFTBANKに至ってはまだそうしたものが出てきていない中、ドコモとauの相方の通信環境は両方とも維持していきたいと思っています。ちなみに、外でのネット通信で動画を見たりWindows updateができる程度の速度が欲しい時には、高速クーポンを使うのではなく、もう一枚別契約のぷららLTEの容題無制限3Mbps上限プランのSIMをモバイルルータに入れて使っています。個人的にはもう少しぷららのプランがリーズナブルに使えれば嬉しいのですが。



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「mineoスイッチ」アプリで実現した低速通信の使い勝手をワイヤレスゲートと比較する」への2件のフィードバック

  1. yosuke 投稿作成者

    こんにちわ。
    MINEOの話、参考になります。
    私の場合、別の会社で、高速通信がない場合に
    RADIKOが全く使い物になりませんでした。
    通信速度を測定すると、下り190Kbpsから210Kbpsくらいあるんですが。
    Radikoを起動すると、屋外でも位置情報の取得に3分くらいかかります
    (屋内だと10分かかってタイムアウト。。。。)
    再生が始まっても最初の1分くらいで止まって、30秒停止、30秒再生、30秒停止の繰り返しです。。。
    なんででしょ^-^;;;;;
    ちなみに高速通信ONの契約では、1時間に30Mくらいの通信量がありましたので、
    計算上は、1分500K、1秒80Kくらいで使えるはずなんですけどね。。。
    取りすがりに失礼しました。

  2. てら 投稿作成者

    yosuke さん コメントありがとうございました。
    情報いただきました他社の低速でのRadikoの仕様は、私がヨドバシワイヤレスゲートのSIMを使い始めた時に起こった現象そのものでした。その会社が回線を増強すればデータ通りにRadikoは使えると思いますが、主にRadikoを聞くのが目的なら、乗り換えを考えた方がいいかも知れませんね。
    今回のコメントを受けまして、改めてau MVNOのmineoのSIMを使って車の中でラジオを聞きながら移動してみましたが、安定して聞けました。ただ、mineoは3Gがないので、山間部やビルの中でLTEが繋がらない場合はネットそのものができませんので、これがベストとは言い切れませんが、今後も常に新しい情報を仕入れながら、低速最強のものを突き詰めて行きたいですね。

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