「緩いカープを曲がり切れない」事故を起こさないために

 2013年7月にスペインで起こったばかりの高速鉄道脱線事故は、カーブを曲り切れずに脱線したことで大惨事になりました。鉄道の事故というのはこのように大きくあつかわれがちですが、日々報道されている自動車事故のニュースで、

「緩いカープを曲がり切れず衝突した」

 というような見出して出てくる事故が結構あるように思います。この文章だけを見ると、急カーブならまだしも緩いカープを曲がり切れないってと嘲笑の対象として捉えてしまう向きもあるかも知れません。

 しかし、普通に運転をしている側からすると、走り屋のようにコーナーに突っ込んで行くような運転をするのでなければ、直前に急カーブの標識があった場合、ほぼ例外なくスピードを落としてカーブに入るでしょう。急カーブが続くような山道などではそもそも車のスピードを上げられないというのが現状ではないでしょうか。しかし、最初に紹介した列車では、制限速度の2倍のスピードがカーブ直前に出ていたといいます。直前が続き、その先に緩いカーブがあるのに手前で減速できないというのは、自分で思ってもいないスピードが出ていたためであり、それなりにスピードが出ている状態ではたとえ緩いカーブがであっても甘く見てはいけないという事が今回の事故の動画を見てわかることです。

 車の場合はさらに様々な体勢を崩す要因があります。人や荷物が偏って積載されていたり、過積載だったり、そもそも車自体の形が背が高く横転しやすかったり、特に車中泊のためにキャンピング仕様にしている車は走行性能を犠牲にしている事が多いですから普通車を運転するようにはいかないということはあるでしょう。

 普段からそうした車に乗り慣れていれば無茶な運転もしないと思いますが、旅行の時だけしか乗らなかったり、レンタカーでキャンピングカーを借りたりする場合は、普段の運転を封印して安全な走行に切り替える必要があります。

 日常から離れ、広々とした空間をドライブしていると、高速道路でない一般道でもついついアクセルを踏んでしまうことがあるかも知れません。しかし、たとえ緩いカーブであってもそのままのスピードで飛び込んだら車はそれまでの体勢を維持できなくなるかも知れません。旅の行程の中で時間に追われて急ぎたくなる状況もあるでしょうが、カーブの直前ではアクセルをゆるめ、必要に応じてブレーキを踏むなどして減速して入り、カーブから出る際にアクセルを踏むという「スローインファーストアウト」の基本を忘れないようにしたいものです。


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